小型蒸気発電機「スクリューエキスパンダー」は、低圧蒸気の熱エネルギーを電気に変換する装置です。石油、ガス、バイオマスなどの燃料を使ってボイラーで発生させた蒸気を動力として活用し、スクリューを回転させることで電力を生み出します。
スクリューエキスパンダーは、スクリュー圧縮機（コンプレッサー）の圧縮原理を逆に利用し、蒸気を供給することによって動力回収する回転容積形の流体機械です。
蒸気発電機の主目的は、工場内の余剰蒸気を最大限活用することにあります。発電のために蒸気を作るのではありません。
工場内の負荷変動によって余剰となった低圧蒸気を大気へ捨てるのではなく、作った蒸気エネルギーを最後まで全て使い切り、エネルギーロスを削減するために開発されました。
韓国の大手発電機メーカーである「HANATECH」の国内総代理店として、マルエイパスカルエナジーはパートナー契約を結んでいます。
蒸気がスクリューエキスパンダーの通過後は、最終的にお湯となって排出されます。つまり、出口圧力が0.1ＭPa以下となっていることを証明しています。
これは蒸気の持つエネルギーを動力として完全に回収しているという何よりの証拠です。
蒸気を回収するためのスクリューが高圧ステージと低圧ステージの２段階で付いています。これにより1.0Mpa以下の低圧蒸気であっても、蒸気流量さえ確保できれば安定して発電を続けることが可能です。
蒸気を無駄にしないことは、エネルギーロスの削減につながり、環境負荷を低減させることに直結します。再生可能エネルギー導入だけでなく、エネルギーロスの見直しを図ることでコスト削減と環境価値の増加を図ることが可能です。
| 型式例 | 蒸気の質 | 蒸気消費量 | 定格出力 |
|---|---|---|---|
| KE90-95V-1-50 | 100℃（飽和蒸気） | 1.3t/h | 69kw |
| KE185-95V-1-50 | 100℃（飽和蒸気） | 2.6t/h | 138kw |
| KE450-95V-1-50 | 100℃（飽和蒸気） | 6.5t/h | 350kw |
| KE900-95V-1-50 | 100℃（飽和蒸気） | 13t/h | 700kw |
| KE132-110V-1-50 | 115℃（飽和蒸気） | 1.8t/h | 109kw |
| KE280-110V-1-50 | 115℃（飽和蒸気） | 3.6t/h | 218kw |
| KE600-110V-1-50 | 115℃（飽和蒸気） | 8.3t/h | 508kw |
| KE1200-110V-1-50 | 115℃（飽和蒸気） | 16.5t/h | 1,016kw |
蒸気圧力: 12bar（1.2Mpa）, 蒸気流量: 3ton/hの場合
1) KES330-V、2段蒸気凝縮ユニット
2) 発電機 定格出力:312kW
3) 名目出力:275kW（①106kW+②169kW）
4) 純出力:254kW (=275kw–21kw)
5) 消費電力:潤滑システム & 制御システム:21kW
6) スクリューエキスパンダー
① 高圧ステージ:名目出力:106kW
入口条件:12bar,188℃,飽和蒸気：3ton/hr ／ 出口条件:3bar,133.5℃,品質96.1%
② 低圧ステージ:名目出力:169kW
入口条件:3barA,133.5°C,飽和,2.89ton/hr ／ 出口条件:0.15barA,54°C,品質95.2%（湯として排出）
世界各地で100KW~5,000KWまで、100台以上の導入実績がございます。
| 業種 | プラント種類 | 発電容量 |
|---|---|---|
| 化学工場 | スクリューエキスパンダー | 4,351KW |
| 製鉄工場 | スクリューエキスパンダー | 3,110KW |
| 製鉄工場 | スクリューエキスパンダー | 2,450KW |
| 化学工場 | スクリューエキスパンダー | 319KW |
| 化学工場 | スクリューエキスパンダー | 122KW |
| 製鉄工場 | スクリューエキスパンダー + ORC | 417KW |
| 製鉄工場 | スクリューエキスパンダー + ORC | 250KW |
スクリューエキスパンダーを用いて減圧した際の発電量は以下の通りです。
①入口蒸気圧24barg（2.4MPa）から出口圧10barg（1.0MPa）に減圧したとき、蒸気流量4.5ton/hとすると、
発電出力=28.7kW×4.5t/h=129kW
②凝縮までの蒸気膨張
入口蒸気圧6barg(0.6Mpa)の蒸気を0.85barg(0.085Mpa)まで膨張させたとき、蒸気流量を10ton/hとすると、
発電出力=116.8 kW×10t/h=1,168kW
